2011年1月29日(土)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
「AAA」=借金を返す能力はきわめて高い。「AA」=借金を返す能力は非常に高く、AAAとの差は小さい…▼アメリカの格付け会社スタンダード・アンド・プアーズの見方です。日本の政府の借金、国債の格付けは、9年前からAAでした。おととい同社は、「AA−」に引き下げました。「−」つまりマイナスをつけ、AAのかげりをみています▼日本の財政事情はもっと悪くなるだろう、というわけです。ところで最近、日本共産党の小池晃政策委員長も日本の財政を論じています。『いつでも元気』(編集・全日本民医連)2月号、「ドクター小池の世直し奮戦記」のなかで▼3枚の図で解説しています。日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスを比べた折れ線グラフです。始まりは1990年。最近までどの国も借金残高をふやし続け、イギリスやフランスの伸び率は、日本を上回る3倍以上です▼次の図で、あら不思議。国内総生産(GDP)に対する借金の割合は、日本だけ急上昇。昨年は180%ほどで、20年前のほぼ3倍です。“だから増税”と説く人もいるのですが、3枚目の図で謎が解けます。ほかの国は経済成長でGDPが伸びているのに、日本はぱたりと成長が止まり底をはっています▼さて、成長が止まっても大企業はもうけをため込んできました。きのう、市田書記局長が参院本会議で提案しました。使い道のない内部留保を賃上げなどで社会に還流させ、「経済活性化の起爆剤」に。元気の出る提案です。