2011年1月28日(金)「しんぶん赤旗」
「国は和解の席に着け」
薬害イレッサ 原告ら行動
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薬害イレッサ訴訟原告団・弁護団は、東京、大阪両地裁が指定した和解勧告に対する回答期限を翌日に控えた27日、国会前で宣伝、国会内で「薬害イレッサの全面解決をめざす怒りの院内集会」を開きました。薬害・公害被害者、医療関係者、労働組合役員らが支援に駆けつけて「国は和解の席に着け」と訴えました。
薬害肝炎訴訟全国原告団代表の山口美智子さんは「私たちは薬害根絶を使命としてたたかってきました。政府が全面解決に踏み出さないのなら、政府とたたかっていくことを声明しています」と連帯を表明しました。
スモンの会全国連絡協議会事務局長の辻川郁子さんは「菅首相は薬害スモンのたたかいで私たちと一緒にビラを配りました。首相になったら被害者の立場に立つことを投げ捨てたのですか」と話しました。
医療機関で働く神山咲子さん(63)は「医師から出された薬は処方しなければなりません。添付文書が不十分だと被害を受けるのは患者です。患者はモルモットではありません」と訴えました。
原告団代表の近澤昭雄さんは「望みを捨てないで頑張ります」と決意表明。日本共産党の高橋ちづ子衆院議員と田村智子参院議員が激励しました。
同日、原告団・弁護団は岡本充功厚生労働政務官と面談し、国が和解の席に着くように要請しましたが、議論は平行線をたどりました。
また、同日夜、厚生労働省内で記者会見し、近澤さんは「面談しないままに決められるのは実に悔しい。菅首相は話し合ってほしい」と訴えました。
弁護団副団長の水口真寿美弁護士は「和解勧告の所見は承認の問題について言っているのではなく、(副作用の)情報の提供のあり方を問題にしています。内容がきちっと受け止められないでねじ曲げられている」と、厚労省幹部らの発言を批判しました。
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