2011年1月24日(月)「しんぶん赤旗」
保育「新システム」撤回を
シンポでアピール
埼玉・所沢
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保育の公的責任の放棄につながる政府の「子ども・子育て新システム」について考えるシンポジウムが23日、埼玉県所沢市で開かれました。市内保育園の保護者らでつくる実行委員会の主催によるもので、パネリストを保育問題の専門家や弁護士、保育所で子どもを亡くした保護者、厚労省幹部が務めました。
認可外保育所で「うつぶせ死」により子どもを亡くした2人の父親が劣悪な保育を行う事業者が放置されている実態を告発。寺町東子弁護士は、利益追求の保育所で保育士が使い捨てにされ、スキル不足が事故につながっていると指摘し、「新システムで運営費の使途制限がなくなるとますます人件費削減につながる」と述べました。
鹿児島大学の伊藤周平教授は「待機児解消」を新システム導入の理由にあげる政府にたいし、「認可保育所を増やせば待機児は解決する。なぜ今の制度ではいけないのか。保育に金を使わないようにする意図が見える」と話しました。
会場の保護者からも「新システムのメリットがわからない」「保護者の意見が反映していない」などの声があがりました。シンポジウムの終わりに「新システム」の白紙撤回や公立保育所予算を特定財源に戻すことなどを求める参加者アピールを確認しました。
民主党衆院議員や自民党県議など議員も参加し、日本共産党の塩川鉄也衆院議員、やぎした礼子県議、高橋ちづ子衆院議員秘書、田村智子参院議員秘書があいさつしました。
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