2011年1月23日(日)「しんぶん赤旗」
効果的な温暖化対策を
日本環境法律家連盟がシンポ
日本環境法律家連盟(JELF)は22日、都内で、米国で気候変動訴訟を起こしているアメリカの環境法律家NGO「アース・ジャスティス」のサラ・バート弁護士を招き、シンポジウムを開きました。
JELFは効果的な地球温暖化対策を求め、温室効果ガスの大量排出源にたいして公害調停の申し立てを準備しています。
日本では、温室効果ガスが大気汚染防止法の規制対象とされず、火力発電所などからの排出は規制もなく放置されたままです。しかし、アメリカでは気候変動訴訟によって、日本の大気汚染防止法にあたる大気浄化法に温室効果ガスの排出の上限を定める規制が盛り込まれました。
同訴訟にたずさわったサラ・バート弁護士は「北極圏に居住するイヌイットの生存が地球温暖化によって脅かされていると、アメリカ連邦政府を相手に米州人権委員会(CIDH)に人権救済の訴えが起こされました。これを契機に、温室効果ガス排出による環境被害への関心が高まった」と報告しました。
サラ弁護士によると、米州人権委員会では最終的な結論がでなかったことから、連邦政府に温室効果ガスの排出を規制する気候変動訴訟が多数起こされたといいます。マサチューセッツ州訴訟では米環境保護庁(EPA)に排出規制をもとめる決定が下され、法律で温室効果ガスの排出上限を設定する規制が実現できたことも紹介。「多くの(石炭)火力発電所建設計画が市民の訴訟によっていま止まっている」と話しました。
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