2011年1月22日(土)「しんぶん赤旗」
“中国は覇権求めない”
胡主席 米経済人前に講演
【ワシントン=小林俊哉】訪米中の胡錦濤中国国家主席は20日、経済人らとの会合で講演、米中経済協力による互恵関係を強調するとともに、「中国は国際的紛争の平和的解決に尽力し、防衛的な国防政策をとり、永久に覇権を求めない」と言明しました。同主席は人権問題には直接触れず、台湾やチベットに関する問題は「中国の主権と領土保全にかかわるもの」だと主張しました。
胡主席は、講演の多くを経済問題にあて、「米中関係の発展は両国民の根本的利益に寄与するもので、世界の平和と発展の客観的要請だ」とし、「相互に尊重し平等に対当し、重大かつ微妙な問題を適切に処理する」べきだと主張。そうでなければ、「両国関係は困難が絶えず、さらに緊張が起きる」と語りました。
同主席は、「21世紀の最初の10年は中国の改革・発展が新たな成果を収めた10年だ」とし、これが国民の生活を著しく改善したばかりでなく関係国・地域に1400万人余の雇用をもたらしたと強調。しかし「中国は依然として世界最大の途上国であることは変わりはない」「国の発展目標達成には努力が必要だ」と述べ、引き続き改革・開放を深め、「社会主義近代国家を築く目標にまい進する」と言明しました。
同主席は、この講演前に、ベイナー下院議長(共和党)ら与野党の上下両院指導部と会談。ベイナー氏は会談後、胡氏に対し「宗教の自由をめぐる懸念を表明した」ことを明らかにしました。民主党のペロシ下院院内総務(前議長)は声明を発表し、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏が依然として拘束されていることに懸念を表明しました。