2011年1月20日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 新潟県の読者から、冬の便りをいただきました。14日に書いています。雪晴れの空が一転し、「雪に変わりました」▼彼女は、雪が大好きとか。「降ってる降ってる」。追伸がありました。翌15日の日付です。「好きだった雪、今日は恐怖を感じています。いつまで降るつもりか」。まったく。週間の天気予報をみると、新潟県はずっと雪の印です▼久しぶりに、『北越雪譜』を開きました。江戸時代の越後の文人、鈴木牧之(ぼくし)が著した書物です。170年以上たつ今も、雪について多くを教えてくれます。「雪掘」のようすを書いたところがあります▼文字どおり、土を掘るように雪を掘る。人家が埋まらないように軒先で掘り、家が押しつぶれないように屋根で掘る。金持ちの家は掘り手を雇い、貧しい家は一家総出で掘る。力と銭を費やして掘っても、一夜で元の景色に戻り、ため息をつくばかり。また掘る…▼屋根の雪掘は、雪下ろしです。ことし、雪下ろしなど除雪中の人が亡くなる痛ましい事故が、全国で相次いでいます。1人の場合が多い、といいます。政府がいくら「作業は2人以上で」といっても、昔と違い独り暮らしや高齢者だけの家がふえる現実。地域や行政のとりくみが追いつきません▼きょうは大寒。寒さきわまるものの、立春までの間、フキノトウもそっとつぼみを出す時期です。とはいえ、雪のこわさは続きます。立春が過ぎても、『北越雪譜』によれば、春の雪は鉄石のように凍る、といいます。くれぐれも、ご用心を。





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