2011年1月19日(水)「しんぶん赤旗」

迂回献金疑惑 民主・樽床衆院議員を告発

廃プラ“住民被害よそに”

寝屋川の市民団体


 民主党元国対委員長の樽床(たるとこ)伸二衆院議員(大阪12区)が代表を務める党支部をめぐる迂回(うかい)献金疑惑で、大阪府の市民団体「寝屋川市民オンブズマン準備会」(中川正彦代表世話人)は18日、樽床議員と、同議員側に巨額献金をしていた廃プラスチック関係の会社会長ら5人に対する告発状を大阪地検特捜部に送付しました。

 告発状によると、大証ヘラクレス上場の物流会社「ワールド・ロジ」(大阪市)の会長は2005年8月14日、個人献金の上限額の2000万円を樽床議員が代表の「民主党大阪府第12区総支部」に献金。会長所有のマンションを本店所在地にして設立され、会長の妻や親族が役員に就任するなどした関連会社2社の名義でも同月5日、各750万円計1500万円を献金しています。

 告発状は、05年8月に、会長が政治資金規正法の量的制限の規制枠を超えて樽床氏側に3500万円もの巨額献金を行う必要があった背景事情についても説明しています。

 それによると、容器包装リサイクル法にもとづく廃プラスチックの再製品化を目的として設立されたワールド社の子会社「リサイクル・アンド・イコール」(寝屋川市)は04年、工場を建設し、試験操業をおこなっていました。しかし、現実に操業するために必要な容器包装リサイクル協会による事業者登録が05年度事業では認められず、当時、同社は登録許可を求めていました。

 一方、イコール社と密接な関係で設立された北河内4市リサイクル施設組合は04年12月、環境省に「整備計画」を提出し、国庫補助金の交付を申請していました。

 こうしたなか、イコール社の工場と4市組合の施設建設予定地(当時)の周辺住民は、05年8月3日、工場操業が地域の健康と環境を害するとして、大阪地裁に操業停止と施設建設差し止めの裁判を提訴しました。

 告発状は「住民の激しい反対の中で円滑な事業推進ができるかどうかの瀬戸際にあった時期に、樽床氏側への巨額な寄付がおこなわれた」と指摘。「実際、その後、イコール社はリサイクル協会に事業者登録され、4市組合は06年3月に国庫補助金交付の内示が行われた」としています。

 さらに、民主党の国対委員長代理(当時)であり、同党の実力者である小沢一郎元代表と関係が深い樽床氏に「政治的影響力の発揮を求めるためになされたものであることは明瞭」としています。

 「寝屋川市民オンブズマン準備会」の中川代表世話人は「地元選出の議員でありながら、健康被害で苦しんでいる住民をよそに、原因企業から巨額のカネを受け取っていることは許せないという思いです。迂回献金疑惑はもとより、カネの力で政治や行政をゆがめたことはないのかなど、徹底的な真相解明が必要です」と話しています。





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