2011年1月19日(水)「しんぶん赤旗」
就職 超氷河期
大学生内定 最悪68.8%
3年連続の悪化 12月時点
厚生労働、文部科学両省が18日まとめた今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日時点)は68・8%で、調査を始めた1996年以降で最低となりました。これまで最低だった前年同時期を4・3ポイントも下回っており、悪化は3年連続です。一方、高校生の内定率(同11月末時点)は70・6%と同2・5ポイント上昇したものの、きびしい状況が続いています。
大卒内定率は、理系が71・3%で7・3ポイント落ち込みました。文系は68・3%と3・7ポイント下落。男女別では、男子が70・1%と2・9ポイントの低下にとどまりましたが、女子は67・4%で5・8ポイントも大幅に下がりました。
地域別では北海道・東北地区(69・9%)が0・4ポイント上昇したのを除き、軒並み低下。とくに中部地区(61・7%)は8・0ポイント、九州地区(63・1%)は6・5ポイントも下落しました。
短大卒(女子)は2・1ポイント低下の45・3%で過去最悪でした。
高卒は求人数が17万4000人で0・8%減った一方、求職者数が16万8000人と0・6%増加。この結果、求人倍率は1・03倍で、前年同期を0・02ポイント下回りました。
男女別内定率は男子が75・8%、女子は63・7%で、それぞれ2・7ポイント、2・0ポイント上昇したとはいえ、低い数字にとどまりました。
都道府県別では福井87・9%、富山86・9%、石川84・8%などにたいし、沖縄41・4%、北海道50・3%、宮城55・1%など、格差の広がりがみられました。
政府は必要な対策を急げ
日本共産党の宮本岳志衆院議員の話 若者の就職難はまさに「超氷河期」です。このままでは多くの卒業生を泣かせる春になってしまいます。若者の社会人としての第一歩が失業者という社会でいいわけはありません。
学生に耐えがたい苦痛を強いている新卒求人の減少の大もとには、正社員を減らして契約社員・期間社員などの不安定雇用を増やしてきた大企業の経営戦略があります。
大企業がわずか1年で増やした内部留保(11兆円)の3・4%を使うだけで、新卒者15万7000人を雇うことができます。
政府は、経済界に新卒者の採用数確保を強力に働きかけるとともに、就職活動の現場からの切実な声に応え、いますぐ必要な対策を強化すべきです。
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