2011年1月18日(火)「しんぶん赤旗」
JESCOのPCB漏れ事故
派遣社員だけで作業
愛知・豊田
佐々木議員視察
政府出資のPCB(ポリ塩化ビフェニール)処理会社「日本環境安全事業」(JESCO)豊田事業所(愛知県豊田市)が昨年、PCB漏れ事故を続発させた問題で17日、日本共産党の佐々木憲昭衆院議員と大村義則、根本みはる両豊田市議らが同事業所を視察、同社の説明から事故当時の対応をしたのが本来責任を負うべきJESCOの正社員ではなく、派遣社員だったこと、1日のうち16時間が派遣社員だけで作業していることが明らかになりました。
同事業所は昨年11月19日に排気配管から、12月8日にポリタンクから、PCBを含む油を施設内に漏出させる事故を起こしました。立て続けの事故を受け、今月4日から操業を停止しています。
11月の事故対応に当たった現場の指揮者は当初、PCBが含まれていないと判断。漏れていた液体をふき取り、配管下にバケツを置いただけでした。作業員は全員派遣社員でした。
同事業所によると、JESCOの正社員は31人、運転会社の作業員は137人で、うち派遣社員は101人。12社から派遣されています。作業員には職長、班長などの職制があります。
1日のうち正社員がいるのは日中の8時間だけ。日常的に違う派遣会社から派遣された作業員同士で指揮命令を行っており、労働者派遣法上も問題になります。
視察した佐々木議員は「PCBは十分な知識と訓練を受けた人が管理すべきもの。職長まで派遣社員だというのは問題といわざるを得ません。JESCOは全国に5事業所ありますが、派遣社員が多いという実態があります。処理方法も含めて処理のあり方を根本的に見直すべきではないか」と指摘しました。