2011年1月15日(土)「しんぶん赤旗」
菅第2次改造内閣発足
消費増税・TPP強行の布陣
菅直人首相(民主党代表)は14日、昨年9月に続く内閣改造を行い、菅第2次改造内閣を発足させました。経済財政担当相には年来の消費税増税論者で、たちあがれ日本を離党した与謝野馨元財務相を起用しました。環太平洋連携協定(TPP)参加に積極的な海江田万里前経済財政担当相を経済産業相に横滑りさせました。参院で問責決議を受けた仙谷由人氏の後任の官房長官として同氏に近い枝野幸男前幹事長代理を充てました。
与謝野氏は、消費税増税の議論を推進する社会保障・税一体改革担当相も兼務。枝野氏も民主党の幹事長として参院選での菅首相の「消費税10%」発言を後押ししました。官房副長官にも、民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会」で消費税増税の議論を進めてきた藤井裕久元財務相が就任しました。仙谷氏と同様に問責決議を受けた国土交通相の馬淵澄夫氏は退任し、前経済産業相の大畠章宏氏が横滑りしました。仙谷氏が、兼務していた法相には江田五月前参院議長、国家公安委員長には中野寛成元衆院副議長を起用しました。
親米・タカ派で知られる前原誠司外相、沖縄・米軍普天間基地の名護市辺野古への「移設」を推進してきた北沢俊美防衛相を留任させ、「日米合意」を強行する姿勢を示す陣容です。その他の閣僚は留任となりました。
また党の役員人事をめぐり、仙谷氏を民主党代表代行、安住淳前防衛副大臣を国会対策委員長に起用し、玄葉光一郎国家戦略担当相が政策調査会長を引き続き兼務することも固めました。岡田克也幹事長は留任。
菅首相は認証式後の記者会見で、内閣改造について「危機に向かって、それを超えていく力を最大にしたいという観点」から行ったと説明しました。特に与謝野氏の入閣について、「共通性の高い政策を持っている」「これは内閣改造のひとつの大きな表れ、性格の表れだと受け止めていただきたい」と述べ、消費税増税路線を鮮明にしました。