2011年1月13日(木)「しんぶん赤旗」
民主離党の中島正純衆院議員
政党助成金363万円返納
架空支出疑惑の指摘うけ
みずからが代表を務める政党支部の架空支出疑惑を指摘され、民主党を離党した中島正純衆院議員(41)=大阪3区=が、政党助成金約363万円を国庫に返納していたことが12日までにわかりました。政党助成金を返納したのは3人目です。
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中島議員が代表の政党支部は、「民主党大阪府第3区総支部」。2009年の政党交付金等使途報告書には、車両のリース代や事務機器リース料、パソコンなどの購入費約362万円が記載され、領収書のコピーも添付されていました。
実体ない疑い
ところが、「車リース代」の支払先は、愛知県岡崎市内の税理士事務所とその関連会社で、月々のリース代が14万7000円から48万8250円とまちまちなど、不自然で、実体のない架空支出の疑いが、昨年9月、明らかになりました。
中島氏は、同月7日、民主党に離党届を提出、受理されました。
本紙の調べによると、同支部は、昨年11月18日、政党交付金等使途報告書について「パソコン・印刷機購入」73万6050円、「車リース代」288万2250円を削除する一方、「カメラ購入」7万3950円、「選挙ハガキ郵送代」53万4650円を追加するなど、30箇所以上にわたって訂正しています。
この結果、当初の報告書では、民主党本部から交付された政党助成金2050万円を使い切っていたことになっていましたが、支出総額は1686万2091円となりました。
総務省によると、残高363万7909円が昨年中に、国庫に返納されたといいます。
国民の税金が
政党助成金は国民の税金であり、総務相はその年度に使い残しがあった場合など、政党助成法にもとづき、返納を命じることができます。総務省によると、これまで、総務相が返納を命じ、返納されたのは、03年分の領収書を改ざんした自民党の玉沢徳一郎元農水相(約255万円)、09年の参院選で引退した公明党の沢雄二前参院議員(約150万円)についで3人目です。
中島氏は、日本文理大を卒業後、大阪府警の刑事などを経て、09年の総選挙で大阪3区から立候補し、初当選し、党府副幹事長などを務めました。
大阪府選挙管理委員会によると、民主党大阪府第3区総支部は昨年11月20日に解散しました。
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