2011年1月13日(木)「しんぶん赤旗」
公立病院の改善急げ
医療費無料 → 診察倍増
エクアドルが方針
【メキシコ市=菅原啓】南米エクアドルのコレア政権は10日、「医療非常事態」を宣言し、公立病院のサービス改善を加速化させる方針を発表しました。
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公的医療を切り捨てる新自由主義政策からの転換を掲げて2007年1月に発足した同政権は、公立病院での医療費無料化を実現。この結果、公立病院での診察回数は2006年の約1427万回から昨年、約3463万回へと約2・4倍に増加しています。
チリボガ保健相は今回の「非常事態宣言」が、急増した診察需要に対応するためのものだと指摘。とくに緊急な改善が必要となっている8病院について60日以内に対策をとる計画を明らかにしました。全国127の公立病院についても、外来診察能力の拡大、医療設備の更新などサービスの改善を図っていくとしています。
キング経済政策調整相は、これらを実現するために必要な約4億ドル(約332億円)の追加予算の財源について、30%は他の分野の予算の節約で、残りは増税によって賄う方針を表明。携帯電話料金への特別課税導入やたばこ・酒類税の税率引き上げ、これまで無課税だった医薬品への付加価値税(12%)の適用などが検討されています。
医薬品への課税に懸念の声もありますが、政府は、公立医療機関では薬代も含めて医療費が無料なため、貧困層には負担にならないとしています。