2011年1月13日(木)「しんぶん赤旗」
米軍の訓練域 無制限拡大
沖縄防衛局長が当然視
赤嶺氏が抗議
昨年12月の日米共同統合演習の際に、提供水域外で米軍が軍事演習を実施したことが明らかになった問題で、真部朗沖縄防衛局長は12日、「米軍のやむを得ない事由による訓練であればやむを得る」などと暴論を吐きました。事実上、米軍による無制限な訓練区域の拡大を認めるものであり、「沖縄県民の負担軽減」を口実とした米軍再編が完全に破たんしていることを政府自身が認めた重大発言です。
日本共産党の赤嶺政賢衆議院議員・党県委員長と党沖縄県議団が、5日から沖縄本島周辺で実施されている原子力空母カールビンソン(米海軍ブレートマン基地所属)を中心とする第1空母打撃群による軍事演習に抗議し、中止を求めた際に発言したもの。赤嶺議員は「米軍の軍事上の理由が優先で、県民の生命や安全は犠牲になってもいいのか」と激しく抗議しました。
真部局長は、訓練区域外での演習について「公海上であれば法的に禁止はできない」と発言。米本国所属の原子力空母の爆撃訓練についても、「安保のもとでわが国の防衛のために行っているもので、中止は困難」などと詭弁(きべん)を繰り返しました。
赤嶺議員らは外務省沖縄事務所も訪れ、「空も海も陸も米軍はやりたい放題で、県民の人権や生命は守られない。これだけ屈辱的なことはなく、政府は毅然(きぜん)とした態度をとるべきだ」とただしました。