2011年1月12日(水)「しんぶん赤旗」

“国家首都に東エルサレム”

EU代表部の機密報告判明

イスラエル制裁も


 【カイロ=伴安弘】エルサレムとパレスチナ・ヨルダン川西岸のラマラに駐在する欧州連合(EU)代表部の複数の総領事が、東エルサレムを将来のパレスチナ国家の首都としてあつかい、イスラエルに対して制裁措置をとるよう求めていたことが10日、明らかになりました。

 英BBC放送などによると、これは先月準備された欧州委員会宛ての機密の報告書に盛り込まれていました。

 報告書は「入植地の拡大やパレスチナ人の住居の取り壊しは…重大な人道的問題を引き起こしているだけでなく、東エルサレムにおけるパレスチナ人の存在を掘り崩している」と指摘しています。

 その上で▽EU当局者やEU諸国の政治家が東エルサレムにあるイスラエル政府の事務所・施設への招待を拒否する▽エルサレムのパレスチナ人居住区に無理やり入ろうとするイスラエル人入植者のEU諸国への入国を拒否する▽東エルサレム産のイスラエル製品をボイコットする―ことなどを求めています。


 東エルサレム 1967年の第3次中東戦争でイスラエルがパレスチナ人から奪った占領地。イスラエルは東エルサレムを統合した「エルサレム」を同国の首都と主張しますが、国際社会は認めていません。パレスチナ側は東エルサレムを将来のパレスチナ国家の首都と考え、イスラエル軍の駐留に反対しています。

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