2011年1月12日(水)「しんぶん赤旗」

ブラジル新政権が始動

貧困撲滅向け新計画

新興国との関係強化


 国民本位の変革の継承・発展を公約して1日に発足したブラジルのルセフ新政権が本格的に活動を始めました。貧困撲滅に向けた新計画を発表したほか、外交では南米各国をはじめ新興国、途上国との関係をいっそう強めています。

 ルセフ大統領は6日、関係閣僚10人を集めて会議を開き、極貧を根絶するための新計画を承認、発表しました。

 ルラ前政権は2期8年間に、貧困世帯向け手当「ボルサ・ファミリア」の拡充などを通じて、貧困層を大きく減らしました。しかし極貧状態の人は依然として2200万人に上るとされ、ルセフ氏は貧困撲滅を最大の公約の一つにしています。

 新計画によると、社会開発・飢餓対策省、教育省、労働・雇用省など8省が合同で委員会を設置。(1)新規雇用の創出(2)医療や教育など基本的社会サービスの普及範囲の拡大(3)福祉活動の継続と拡充―の3点で具体策を練り上げ、各省が協力して実行します。

 前政権での経験を生かすために、責任者には「ボルサ・ファミリア」の運営に携わった女性が就任。カンペロ社会開発・飢餓対策相はメディアに対し、「この計画は(極貧層を)社会的に包み込むものだ」と説明しています。

 このほか7日には、公用語ポルトガル語の辞書1千万冊を来年度、義務教育の公立学校に通う生徒に配布すると発表しました。

 外交では、周辺諸国との関係強化に取り組んでいます。パトリオタ外相は10日、隣国アルゼンチンを訪問し、ブエノスアイレスでティメルマン外相と会談しました。両外相は、今月31日にルセフ大統領がアルゼンチンを訪問することで合意。就任後初の外遊となります。2月にペルーで開かれる第3回南米アラブ首脳会議の成功のため、準備を進めています。

 ルセフ氏は就任演説で、アジアやアフリカ、中東諸国、とりわけ中国、インド、ロシア、南アフリカとの関係強化を「大いに重視」すると強調していました。





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