2011年1月11日(火)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
松の内とは、正月の松飾りのある期間を指します。最近では1月7日までが普通ですが、地域によっては15日までの所も。この頃、盛んに開かれるのが新年会です▼職場、町会、趣味の集まり…。街では、ほろ酔い加減のご一行をよく見かけます。「今年1年がんばろう」と、希望や抱負を胸に仲間と懇親すると、なんだか元気がわいてくる気がします▼しかし、そんな爽やかさとは無縁だったのが、民主党の菅直人首相と小沢一郎元代表が、それぞれ元日に開いた新年会。参加する同党議員も立場を旗幟(きし)鮮明にするわけですから、先行きを考えると、おとそ気分にはなれなかったでしょう▼小沢氏の私邸で開かれた新年会に参加した同党国会議員は118人。昨年の165人を大きく下回りました。「政治とカネ」疑惑の批判が強まるなか、年初から勢力を誇示したかった小沢氏にとっては誤算だったのでは▼新年会で権勢を示そうとした政治家といえば、小沢氏が師と仰いだ田中角栄元首相です。ロッキード事件で刑事被告人となった元首相は「数の力」に執着しました。当時、本紙記者は元日の田中邸前での取材が毎年恒例でした。初判決前年の1982年は「国民の気持ちを逆なで 政財官界から400人」、しかし、有罪判決後の84年は「例年になくにぶい出足」と報じています▼今年の本紙元日付は、疑惑の“小沢マネー”について「総額なんと83億円」と指摘しました。国民の疑問に答えないままで、いつまでも「数の力」は通用しません。