2011年1月10日(月)「しんぶん赤旗」
世界的な食料価格高騰が直撃
アルジェリア 大揺れ
青年らの抗議広がる
【カイロ=伴安弘】アルジェリア各地で、物価高騰と高失業率などに抗議する青年たちの暴動が広がっています。7日には2人が死亡、400人が負傷したほか、8日にも各地で警官隊と青年らが衝突。世界的な食料価格高騰が同国を直撃しています。
首都アルジェでは7日、若者が街頭で警官隊に投石、これに対し警官隊が催涙ガスを発射するなどしました。1988年の反政府暴動の中心となった同市内の労働者街バブエルウエドにも抗議行動が広がりました。
オランや、首都の東550キロのアンナバでも初めて衝突が起きました。暴動はコンスタンティーヌ、テベサなど全国に広がっています。
アルジェリアでは、この数カ月で小麦粉や砂糖、食料油などの価格が2倍に上昇。失業率は公式には10%ですが、実際には25%に達しているとみられます。青年らは一部のエリート官僚への不満を示し、政治的自由の欠如や住宅不足にも抗議しています。
国連食糧農業機関(FAO)によると、昨年12月の世界の食料価格は、02〜04年の平均価格を100とした指数で214・7となり、統計を開始した1990年1月以来の最高を更新。砂糖や穀物、食料油などの価格高騰が著しいといいます。
チュニジアでも8日、首都チュニス南西約200キロのタラなどでデモ隊と警官隊が衝突し、警官の発砲で9人が死亡しました。チュニスでは野菜・果物を売っていた青年が、許可がないとして警官に品物を没収されたことに抗議して焼身自殺。これをきっかけにした暴動で少なくとも3人が死亡しています。