2011年1月9日(日)「しんぶん赤旗」
イスラエル軍 相次ぎ一般市民殺害
パレスチナ・ヨルダン川西岸
【カイロ=伴安弘】イスラエル軍が7日、パレスチナ・ヨルダン川西岸のヘブロンで、イスラム武装抵抗組織ハマスのメンバーと間違えて一般市民を殺害しました。イスラエル軍は間違いを認め、事件を調査するとしていますが、年明け以後、同軍による市民殺害が相次いでおり、抗議の声が高まっています。
7日に殺害されたのはアミル・カワスメさん(67)。イスラエル軍が狙ったハマスのメンバーの上の階に住んでいました。妻のソブヘイさんは「お祈りをしているときに」男たちに襲われて口をふさがれ、数発の銃声が聞こえたので寝室にいってみると、夫が血まみれで死んでいたとメディアに話しています。
事件はパレスチナ自治政府がハマスのメンバー6人を釈放した翌日に起きました。西岸のほとんどの地域はイスラエルが治安権限を持っています。同軍は他の民家も襲い、5人を逮捕したと伝えられます。
自治政府のルデイナ報道官は、6人のハマス・メンバーの釈放をハマスとの和解促進のためとし、イスラエルによる「この冷血な殺害とハマスの兄弟たちの逮捕を厳しく糾弾する」と述べました。
西岸ではガザ地区と異なり、イスラエル軍との衝突などはこの数年減っていました。しかし、1日には、分離壁に抗議するデモでガス弾の直撃を受けたパレスチナ人女性が死亡。2日には検問所で、ガラスのビンをもっていたパレスチナ人男性がイスラエル軍兵士に銃で撃たれ死亡するなど、同軍による市民殺害が相次いでいます。