2011年1月8日(土)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 昨年末、火葬後の遺灰をめぐるニュースが流れました。厚生労働省が自治体に対し、ずさんに処理されていないか調べるよう求めた、といいます▼遺族が持ち帰ったあとに残る灰です。たいてい、民間業者が処理し土に埋めます。ところが、火葬のとき発生する有害物質を含んだ遺灰がきちんと処理されず、土壌汚染のおそれがある、というのです▼業者が、仕事をとる入札競争のさい「1円」で落札する。そこで処理にかかる経費を削り、ずさんな処理に走る。業者は、1円で仕事を引き受けてももうかります。目当ては、遺灰に残る歯の金や銀です▼08年の金融危機いらい、金の値段は高い。時の相場で金の延べ棒や金貨を売る、自動販売機も話題です。一昨年から、ドイツ、アラブ首長国連邦、アメリカ、ベトナムなどに登場しました。置かれている所は、高級ホテルや銀行です▼まばゆい黄金の輝き。しかし、資産家の金人気の高さは、不安の裏返しです。相場が揺れ動き、今は下落しているドルで資産を持つより、金はずっと安全・安心というわけで。ドル安は、超大国アメリカの経済に対する市場の不信感のあらわれでもあります▼ちなみに、金の重さは「オンス」で量ります。金1オンスは31・103グラム。オンスは12分の1の意味で、12オンスが1ポンドです。最小の単位は「グレーン」。金1オンスは450グレーンとなります。グレーンはもともと、古代メソポタミアで大麦1粒の重さでした。結局は、人間にとっていちばん大切なのは食べ物、ということでしょう。





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