2011年1月1日(土)「しんぶん赤旗」

80年代初期、イスラエルが核使用も

英機密文書解禁で判明


 【カイロ=伴安弘】1980年代初め、英国の駐イスラエル大使が本国政府に対し、イスラエルがアラブ諸国と新たな戦争に入った場合、核兵器を使う可能性があると警告していたことが、12月30日に解禁された英機密文書で明らかになりました。報道によると、当時のロビンソン駐イスラエル大使は80年5月4日付の英外務省宛て電報で、「もし彼ら(イスラエル)が破壊されるような場合には…彼らには原子爆弾を使う用意があるだろう」と伝えています。

 同電はまた、米国が当時仲介していた中東和平交渉が行き詰まることに懸念を表明。「(ヨルダン川)西岸とエルサレム問題をめぐって、パレスチナ側を満足させるような合意ができない限り、彼ら(パレスチナ側)は次第に過激主義に走り、この地域の穏健な政府と西側の利益が次第に脅威にさらされることになるだろう」と警告しています。

 英政府の機密文書は30年経過すれば原則、解禁されることになっています。





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