2011年1月1日(土)「しんぶん赤旗」

イラク、民間の犠牲者数最低

民間団体 下げ止まりを懸念


 イラクにおける民間人犠牲者数は2010年、米国を中心とする多国籍軍によるイラク侵略戦争開始(03年3月)以来最低を記録したものの、減少のペースは低下しており、集計団体は犠牲者数の「越えられない壁」を懸念しています。

 イラク戦争開始以来の民間人犠牲者数を集計しているイラク・ボディ・カウント(IBC)が12月30日に発表した、昨年のイラクの民間人犠牲者数(同25日現在)は3976人で、戦争開始以来の年間死者数では最低となりました(開戦以来の合計は10万8398人)。

 07年からは犠牲者数に減少傾向が見られるようになり、減少率は同年から08年が約63%、08年から09年が約50%だったのに比べ、今年は前年比でわずか約15%の減少率にとどまりました。

 このことについてIBCは「越えることのできない最低死者数に到達した」と分析。イラクの紛争が続く限り、死者数が減少することはないと懸念を表明しています。

 また死者の66%(2705人)が、1日平均1件以上起きているテロの犠牲となっていることを指摘し、治安は依然危機的な状況にあると強調。

 愛する人を失った人々に「2010年は前年より(犠牲者数が減少して治安が)改善したと言っても何も意味はない」としています。

表:イラク死傷者数




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