2011年1月1日(土)「しんぶん赤旗」
同時報告 新大統領就任ブラジルを行く
労働党の祝賀夕食会
日本共産党副委員長 緒方靖夫
 （写真）左からマルコ・アウレロ・ガルシア大統領外交顧問、グスタボ・モレノ中南米・カリブ海政党常設会議代表、緒方副委員長＝１２月３０日、ブラジリア（神田米造撮影） |
「フェスタ（お祭り）は終わらない」―ブラジルの与党・労働党（ＰＴ）主催のジルマ新大統領就任祝賀夕食会は、ここブラジリアのレストランで１２月３０日午後８時（日本時間３１日午前８時）に始まり、真夜中を過ぎても終わりません。喜びの爆発という言葉がちょうどいい。
ＰＴと友好関係をもつ諸党の代表が集まった就任前夜祭です。ほとんどが中南米の代表で、アジアは日本共産党のみです。再会する旧友も多く、抱擁を繰り返し、話はつきません。
夕食会の最後に、外交戦略を立案してきたマルコ・アウレロ・ガルシア大統領外交顧問が「ジルマ政権が変革を継続し、ブラジルを新しい高みに引き上げる」とあいさつ。続いて新閣僚に内定しているイリナ・ロペス国際関係書記・下院議員は、「３年後にサッカー・ワールドカップ、５年後にオリンピック開催と国際的に大きな責務をもった行事が目白押し」と決意を表明します。
ここで、カンボジアでのアジア政党国際会議（昨年１２月）で会ったばかりのグスタボ・モレノ氏（中南米・カリブ海政党常設会議代表）と再会。「世界はなんと狭いんだ」と期せずして述べ合うことに。彼が「カンボジアの会議での志位委員長の発言がよかった」と語ったことは、うれしいことでした。
次期政権期待高く
テレビも新聞も、政権移行の特集を組んでいます。どの世論調査でもジルマ次期政権への支持率は７割を超え、「国民の支持を得た政権」とされています。
同時に、任期を１日残したルラ政権の特集が目立ちます。ブラジル政治史上初の労働者出身の大統領。２千万人を貧困層から引き上げ、ブラジルの政治・経済の飛躍を実現したなど実績が紹介されています。ルラ政権で官房長官を務めたジルマ氏は、「ほとんどの案件を大統領にあげなくても処理ができた能吏」という評判です。
政策では、貧困削減、富のより平等な分配、内需拡大、保健・教育、後発地域のインフラ整備、外交のいっそうの発展をうちだしています。新しい出発のなかにも、絶えず新しい挑戦があるのだと感じます。
