2011年1月1日(土)「しんぶん赤旗」

主張

2011年の始まり

“政党らしい政党”の出番だ


 21世紀最初の10年間は激動の連続でした。こうしたなか、世界では平和を求め、核兵器の廃絶をめざす動きも強まってきました。日本でもこの10年、自民党の政治が行き詰まり、政権が交代しました。政治を変えたいと願う国民は、アメリカ従属・財界本位の政治を変えようとしない民主党政権に、失望と怒りを募らせています。

 暮らしは深刻さを増し、将来不安も高まっています。国民の立場に立ってしっかりとした展望を示し、打開のためにたたかう“政党らしい政党”が求められます。

「民主党の自民党化」

 この10年間、自民党は5人、民主党は2人の首相が登場しました。鳩山由紀夫首相を昨年引き継いだ菅直人首相も、年末の世論調査では支持率が20%台を割り込む寸前です。“自民党はだめだったが民主党も期待はずれだった”。率直な実感ではないでしょうか。

 米軍普天間基地の「県内移設」を再確認した日米合意、野党時代に批判した「後期高齢者医療制度」の事実上の継続、小沢一郎民主党元代表らの「政治とカネ」の問題など、「民主党の自民党化」といった批判も高まっています。

 だからといって自民党に「期待」が集まるわけではありません。民主の支持は落ち込んでも自民の支持は伸び悩み、政党「支持なし」層が「二大政党」の合計より多くなっています。

 「『政党政治』が壊れていく」といった論調もあります。いったい政党とは何か、政党の値打ちはどうはかられるべきなのか―。政治を変えたいと願い、その道筋を探求する国民にとって、この問題が避けられなくなっています。

 「民主党が党綱領を持たないことは折に触れて批判されてきた。党綱領は政党の『憲法』ともいうべきものであり、綱領なき政党は基軸がない」。政治学者の岩井奉信日本大学教授の指摘です(『週刊エコノミスト』12月14日号)。綱領とは政党の目標や信条を、国民に明らかにしたものです。綱領がないとは、そういうことを国民に明らかにできないのと同じです。

 日本共産党の志位和夫委員長は昨年の赤旗まつりの記念演説で、綱領や歴史、外交力、自由と民主主義への態度、草の根の力など、政党の値打ちをはかるものさしを提起しました。

 日本の政治の異常をただし「国民が主人公」の日本をめざすと綱領に明記する日本共産党と、綱領がなく迷走を重ねる民主党。紛争を外交で解決するよう力を尽くす日本共産党と、軍拡路線を競い合う党。「草の根の力」でも、財政を国民に依拠する日本共産党と、財界献金や税金による助成に頼る党とは対照的です。

政党の大道を歩む党

 ことしは戦前の日本が中国東北部(満州)で戦争を始めた「満州事変」から80年でもあります。日本共産党は命がけで反対しました。ところが民政党、政友会の「二大政党」をはじめ他の党は軍部のお先棒を担いで戦争に協力し、党そのものを解散しました。その勢力を引き継いだ党では侵略戦争を反省できず、領土問題などが解決できません。

 いっせい地方選挙もおこなわれます。“政党らしい政党”を選ぶことが大切です。政党としての大道を歩む日本共産党の前進こそが、日本の未来を切り開くことになると、心をこめて呼びかけます。





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