2010年12月31日(金)「しんぶん赤旗」

民主党の調査委託費

特定企業に9億円 5年間

原資は政党助成金


 民主党が政党助成金を使って、「調査委託費」という名目で、特定の企業に巨額の支出をしていることが本紙の調べでわかりました。しかも、原資が国民の税金であるにもかかわらず、その委託、支出が適正なものなのか、第三者にはわからない実態も明らかになりました。


09年は8割独占

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(写真)民主党の「調査委託費」を独占的に受注していた「プライムライン」の本店所在地となっているマンション=横浜市中区

 本紙は、国民の税金である政党助成金の使途を明らかにする目的で毎年提出されている政党交付金等使途報告書を調べました。

 衆院選があった2009年分の報告書によると、調査委託費は、約2億6000万円にのぼります。委託を受けているのは、元検事の大学教授が08年10月まで代表取締役だった「コンプライアンス・コミュニケーションズ」(東京・六本木、資本金300万円)など6団体・1個人。このなかで、とくに目立つのは「プライムライン」(横浜市、資本金500万円)という会社です。調査委託費の8割以上の約2億1700万円を受注しています。

 同社の登記簿上の本店は横浜中華街東口近くの25階建て高級マンションの一室。登記簿の目的欄に「政治、経済、文化、生活その他各種情報の収集、処理、販売」「各種マーケティングリサーチの請負業」のほか、「日用雑貨品の輸出入及び販売」とあるように、雑貨店も経営しています。

 同社代表取締役の井関壽夫氏は、04年に民主党の調査委託費を約1億5000万円、受注していた「ユニコンサル」(07年7月閉鎖)の取締役でした。

 05年からは、プライムラインが、民主党の調査委託費をほぼ独占的に受注し、05〜09年の5年間で、その額は9億2426万7750円にのぼります。

 調査内容は、おもに選挙に向けての世論調査とされています。09年の場合、総選挙投票日(8月30日)の直前の26日に8610万円の調査委託費が支出されていました。

自民党は身内企業

 一方、巨額の調査委託費は自民党にもあります。

 おもな委託先は、東京・永田町の自民党本部に隣接するビル2階が本社の「日本情報調査」。代表取締役は細田博之元幹事長ら歴代の党経理局長らが就任し、現在は山本有二元内閣府特命大臣(金融・再チャレンジ担当)です。

 自民党の政党交付金等使途報告書によると、09年は約5億2000万円の調査費を受注しており、「税金の身内企業への還流ではないか」と問題になりました。





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