2010年12月31日(金)「しんぶん赤旗」

脱・腐敗

中国政府、対策へ あの手この手


内規見直し

 【北京=小寺松雄】中国共産党政治局は28日の会議で党と政府の「反腐敗・清廉政治建設」の課題を討議し、さらに厳しい内規や基準を定めていくことを決めました。会議では「反腐敗と清廉政治建設は国民の突出した要求になっている」と確認。華美な式典や豪華な庁舎の自粛、公用車の数や使用方法の直しなどを打ち出しました。

 公用車の乱用についてはこれまでも国民やメディアから指摘がありました。

 北京で発行されている新京報29日付は「公用車の費用は毎年2000億元(約2兆5000億円)」という記事を掲載しました。記事は「こうまで高額な原因は、公私混同の使用がひどいこと、あまりにも配車数が多すぎることだ」と批判しています。

 全国の党・政府機関の公用車は200万台。うち北京には70万台あり、同紙は「あの天安門広場が14面あっても収まらない」と指摘しています。

初の「白書」

 【北京=小寺松雄】中国政府は29日、「腐敗反対・清廉な政府づくり」白書を発表しました。政府がこの問題で白書を出すのは初めてです。

 白書は中国政府の「反腐敗」の決意を強調したうえで、否定面にも触れ、汚職腐敗取り締まりの実態を公表しています。

 白書発表の記者会見で政府規律部門の担当者は、「国際社会も中国の反腐敗の取り組みに注目している」と述べたうえで、現状や対策を説明。白書は、「汚職の金額が巨額にのぼるケースも多く、違反行為は、知能化、複雑化している」と分析しています。

 今年1〜11月に規律問題で処分された党・政府職員は11万人。うち司法機関に送られたのは4300人で、すでに昨年の3200人を大きく上回っています。

 白書は「腐敗予防システムを確立するとともに、汚職腐敗を断固処罰する」と決意を表明。特に「公務員のありかたの大もとを重視し、変節を防ぐ教育を重視していく」と強調しています。





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