2010年12月31日(金)「しんぶん赤旗」

主張

年の瀬に

たたかい強め、希望を開こう


 21世紀最初の10年の最後の年、2010年も、いよいよきょうが大みそかです。

 1年間のご愛読に感謝します。新年もひきつづき、くらしに役立ち勇気がわく新聞として、「しんぶん赤旗」のご購読をお願いします。

世界と日本の激動のなか

 この1年は世界も日本も、文字通り「激動」と呼ぶにふさわしい足取りでした。ハイチでの大地震(1月)など、大きな災害もありました。5月に開かれた5年に1度の核不拡散条約(NPT)再検討会議では、「核兵器のない世界」を目指す国際的な合意が大きく前進しました。

 小沢一郎民主党元代表の政治資金をめぐる疑惑で小沢氏の3人の秘書が1月に逮捕され、自らの虚偽献金問題や米軍普天間基地をめぐる公約違反で追及された鳩山由紀夫前代表(首相)とともに、6月に辞任しました。政権をひきついだ菅直人首相は7月の参院選で突然消費税の増税を持ち出し、歴史的な大敗を喫しました。

 振り返って痛感するのは、世界でも日本でも国民のたたかいが情勢を突き動かしてきたことです。

 NPT再検討会議で、「核兵器の完全な廃絶を達成する」という「明確な約束」が成立したのも、日本の被爆者を先頭とした世界的な反核・平和の運動があればこそです。普天間基地問題や消費税問題で政府を追い込んできたのも、自民党政権から交代してもいっこうに対米従属・財界本位の政治の異常をただそうとしない、民主党政権への国民の怒りです。

 とりわけ、民主党政権が「国外、最低でも県外」の約束を破って押し付けてきた沖縄・普天間基地の「県内移設」の問題では、県民のたたかいでことしも杭(くい)一本、打たせませんでした。度重なる大集会や、「移設先」とされた名護市の市長選(1月)・市議選(9月)、沖縄県知事選(11月)の結果で、県民の意思はもはや引き戻せないところまできていることが明白になりました。民主党政権がどんなにアメリカとの「県内移設」の合意にしがみつこうと、県民・国民との矛盾は広がる一方です。

 消費税問題でも、菅首相が持ち出した増税が、“大企業減税のため”ときびしい批判をあび、いったんは引っ込めなければならなくなったのは、国民のたたかいの結果です。菅内閣は12月の予算編成でも、「社会保障のため」と装いを変えて消費税の増税を狙うことを鮮明にしました。大企業に減税しながら国民に消費税増税を押し付けるのでは経済も財政も破壊します。消費税増税に反対し、経済危機と財政危機を一体で打開する対策が求められています。

年末の寒風の中でも

 大企業はもうけを増やしても労働者の「人減らし」はとまらず、寒風の中、仕事や住まいを求める人たちが後を絶ちません。集団接種でB型肝炎に感染した被害者は、年末も座り込みを続けています。大みそか付で整理解雇が強行されようとしている日本航空の労働者は、不当な解雇に年末返上でたたかい、支援も広がっています。

 新年は普天間基地の問題や日本農業を破壊する環太平洋連携協定(TPP)参加問題もヤマ場です。

 国民のたたかいでくらしと平和を守り、政治を変えていきましょう。「しんぶん赤旗」も、そのために、いっそう力を尽くす決意です。





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