2010年12月30日(木)「しんぶん赤旗」
軍事での国境封鎖限界
隣国からの武装勢力侵入 現地米司令官が表明
アフガン
【ワシントン=西村央】アフガニスタンの隣国パキスタンからの武装勢力侵入で、米軍が国境付近での軍事行動を展開していますが、現地の米軍司令官は28日の国防総省での会見で、軍事力だけでは国境封鎖は不可能であると述べ、他の方法が必要だと表明しました。
アフガンへの米軍増派後、今年2月からパキスタン国境付近で3800人の部隊を率いているロング司令官は、「これまでの方法で国境を安定化させるとなると、膨大な数の部隊を必要とする」として、増派後も米軍部隊の展開だけでは限界があると指摘。治安安定に向けては、パキスタン内の部族から協力を得るなど他の方策の検討が必要との見解を示しました。
米軍は、アフガンと国境を接するパキスタンの領内に対し無人機による爆撃を続けており、反感を呼んでいます。米メディアによると28日もパキスタン北西部部族地域の北ワジリスタン地区で無人機による爆撃があり、17人の犠牲者が出ています。この中には民間人も含まれている可能性があるといわれます。
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