2010年12月28日(火)「しんぶん赤旗」
築地移転 都は再検証を
環境学会が要請
日本環境学会(和田武会長)は27日、東京都が土壌汚染の深刻な江東区豊洲地区への築地市場(中央区)の移転強行を決めたことに対し、「食の安全・安心」の視点で再検証と公開討論を行うよう都に要請しました。
都に手渡した声明では、都の移転方針強行を「深く憂慮」していると表明。石原慎太郎知事が“一流の学者が安全と言うのを信頼しないでどうする”旨の発言を繰り返していることにふれ、「客観的・具体的で正確なデータによって事実が表現され、緻密で合理的な論証」が必要であり、都の説明は「多くの汚染実態が未解明のままであり、対策自体も合理的な説得力を持たない」と批判しています。
汚染土壌処理実験についても環境基準の4万3000倍のベンゼン汚染を浄化したかのように宣伝しながら、その地点で実際に採取した試料の濃度は2・7倍しかなく、これを隠蔽(いんぺい)してきたことをあげ、「『科学性』を論じる資格は全くない」と指摘しました。
さらに信頼性の高いデータの収集と解析を行い、データの全面公開や、環境学会との公開討論会の開催を要求しました。
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