2010年12月27日(月)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 近ごろの女性のストッキングは、実にさまざまです。目立つように、花やチョウのもようをあしらったりしています▼ストッキングの歴史で、継ぎ目なし、つまりシームレスの登場は、“革命”でした。日本では当初、素足みたいにみえるというので不評だったらしい。アメリカへ輸出したら、日本製は品質がいいと大評判に。1960年代初め、日本でも人気に火がつきます▼継ぎ目なしでは、シームレス鋼管も思い浮かびます。継ぎ目がないから強い。石油のパイプラインなどに使われています。やはり日本企業の技術が高いといわれ、丈夫な日本製は世界で好評です▼ところで、先に政府が決めた新しい「防衛計画の大綱」に、「シームレス」という言葉がよく出てきます。たとえば、「安全保障」にかかわる各種の「事態」に「シームレスに対応する」と。継ぎ目がないように、なめらかに素早く行動する自衛隊。あえて名づけると、“シームレス軍事力”といったところでしょう▼新「大綱」は、“シームレス軍事力”をきたえ、自衛隊を世界に売り込もうとしています。「大綱」は論じます。“軍事力が世界でいっそう多様に大きな役割を果たすようになった”。そのための自衛隊でもある、というわけです▼アメリカの下請け日本の軍事力が、靴下や鋼管のように喜んで世界に受け入れられるか。なにより、憲法で「国際紛争を解決する手段として」武力を使わないと約束した国の政府が、軍事力への愛をおおっぴらに説くとは、一体…。





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