2010年12月24日(金)「しんぶん赤旗」
“安保体制問い直せ”
首相・閣僚発言 沖縄の首長、地元紙が怒り
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への「移設」押し付けのために沖縄を訪問した菅直人首相(17〜18日)の姿勢と、続けて訪問した前原誠司外相(21日)の「辺野古移設を受け入れてもらえない以上、当面は普天間飛行場(基地)の継続使用にならざるを得ない」との“脅し”発言に、沖縄の地元紙や関係首長から怒りの声があがっています。
“脅し”発言とともに、普天間基地に隣接する普天間第二小学校など周辺施設の移転を検討する発言をした前原外相に対し、琉球新報23日付社説は「『基地があるから、周辺住民は出て行け』と言っているに等しい」「危険性も放置される。全く話にならない」としています。
沖縄タイムス同日付社説も「普天間(基地)の固定化を前提にして周辺の公共施設を移転させるという発想は、問題がある」「住民生活を後回しにする発想は受け入れられない」と強調しました。
菅政権の姿勢について同紙は、「方向感覚を失った猛牛が、出口を求めてやみくもに壁に体当たりしているようなものだ」と述べ、「基地を沖縄に押し付け、それによってかろうじて維持されるような日米安保体制は、根本から問い直されるべきである」と求めました。
仙谷由人官房長官が前原外相の発言を追認したことに安里猛宜野湾市長は22日、「脅しだ」「人道的にも許されない。一部の移転だけで、危険性が除去できるという発想は間違いだ」と指摘。稲嶺進名護市長は同日、「辺野古は駄目だという名護市、知事をけん制するような(政府の)本性、本音が出たのだろう。辺野古ありきが大前提で思考がストップしている」と厳しく批判しました。