2010年12月23日(木)「しんぶん赤旗」
和解協議、国「ゼロ回答」
B型肝炎 年内解決の願いに背
札幌地裁
集団予防接種の注射器使い回しが原因でB型肝炎ウイルスに感染した被害者らが、国に損害賠償を求めている北海道B型肝炎訴訟の第10回和解協議が22日、札幌地裁で行われました。
国は、持続感染者(無症候性キャリアー)の救済拒否など、これまでの態度を変えず、「年内解決」を待ち望む原告からは怒りの声が上がりました。
弁護団によれば、国側は裁判所を通じて「原告に伝えるものは何もない」とゼロ回答。裁判所は年内解決の可能性を求めるとして、12月27日を次回の和解協議期日と指定しました。
原告・弁護団は、「検討に値する内容の回答がなければ、期日を入れる意味がない」として、国に対し(1)キャリアーの救済(2)賠償額水準の引き上げ(3)母子手帳提示などの認定要件を緩和する(4)慢性肝炎の範囲を狭くしない―という点を検討するよう求めました。
国側は「検討できるかどうかも含めて検討する」と不誠実な態度に終始しました。
北海道原告団の高橋朋己代表は「国から解決の意思が全く伝わりません。患者はつらい日々を送っているのに、何も理解しようとしない。早く解決に向かって進んでほしい」と語りました。