2010年12月23日(木)「しんぶん赤旗」

「綱領教室」志位委員長の第1回講義


 「分かりやすく、私も学習しなくてはという気持ちをもつことができ、自分ながらうれしくなっています」――。党本部会場と全国をむすんで21日、志位和夫委員長を講師に「綱領教室」が始まりました。本部会場と全国の視聴の様子、受講者の感想を紹介します。ひきつづき受講の申し込みを受け付けています。第1回の「綱領・古典の連続教室」はいろんな方法で視聴することができます。

驚いた/学ぶべき中身と値打ちのある綱領――他の党にはないんだ

 志位さんは「なぜ綱領を学ぶのか」というところから話を始めました。

 最初に、政権党の民主党は綱領を「持てない」こと、自民党は綱領はあるが「中身がない」ことと対比しながら、学ぶべき中身と値打ちのある綱領を持ち、熱心に学習している政党は日本共産党以外にないことを紹介すると、会場に笑顔が広がりました。

 大阪府で聞いた21歳の民青同盟員は「他の政党のように短期的かつ瑣末(さまつ)な政局に振り回されて、離合集散を繰り返すことなく、長期的な視野を持って行動する共産党の原動力は綱領にあることを実感した」と感想を寄せました。

 2時間近い講義のなかでもっともわいたのは、先ごろ開かれた第6回アジア政党国際会議(ICAPP)の経験に触れたときです。綱領の世界論がアジアの本流になっていることを強く実感した体験をリアルに報告すると拍手が起きました。大分県で視聴した男性は「日本共産党こそが世界に通用する政党であり、志位さんの提案が丸まる採用されたことに強く確信を持ちました」と感想をのべました。

 志位さんが今回の会議成功の「貢献賞」として贈られた大きな金色のメダルを照れながら披露する場面もありました。

 後半は、「綱領がなぜ戦前から始まっているか」について語りました。

 戦前の活動は「党の原点」であり、なかでも「不屈性」を学びたいと、小林多喜二の生き方と作品をとりあげました。

 志位さんが多喜二全集を開き、「十二月の二十何日の話」と「党生活者」の一節を朗読すると、会場は水を打ったようにシーンとなりました。息子を思う母セキさんの「決心」に、ハンカチで目頭をおさえる人も。同時中継を岩手県で見ていた29歳の男性は、「多喜二の生き方に心を打たれた。29歳の若さで亡くなったが、彼の不屈で剛毅(ごうき)、愛情豊かな精神が母親をも入党に至らせた。正しい心は必ず受け継がれるのだ」と誇りを共有していました。

 志位さんは、戦前の問題と今日の問題がつながっている一例として、いま、国政でもっともホットな焦点となっている、尖閣、竹島(独島)、千島の三つの領土にかかわる紛争問題を詳しく話しました。

 それぞれの場所を示した畳1枚分もある大きな地図の前に立ち、カギとなる年月を書き込みながら、政府間の条約や交渉の経緯と党の立場を詳しく解説。侵略戦争と植民地支配に反対する立場に立たないと、平和的に得た領土と戦争で奪った領土との区別もつかないとのべました。そのなかで、2006年に初めて韓国を訪問し、ハンナラ党の院内代表と会談したときの体験を紹介しました。緊迫が走る場面もあったが道理ある主張をしたことで一気に心が通い合ったことを紹介すると、聞き入っていた会場に安堵(あんど)のため息が。志位さんは、ICAPPで4年ぶりに再会したときにはお互いに抱擁し、すっかり意気投合したと報告しました。

 千島問題では、歌手の三波春夫さんも日本共産党と同じ見解を持っていたことを紹介すると、「ほおー」と驚きの声があがりました。

 本部会場で熱心に聞いた東京の労働者は「三つの領土問題が侵略戦争無反省の問題とつながっていることを初めて知りました。日本側の対応の問題点を詳しく聞けてよかった。領土にかかわる紛争問題は、どうなっちゃうんだろうと思っていましたが、解決できると展望を持てました」と語りました。

 「党員としての誇りを改めて感じた」「綱領を新鮮に受けとめることができた」「次の教室が楽しみだ」といった感想が多数寄せられました。


各地で受講

見えた 戦前のたたかいのように、今のたたかいが将来へつながる

メモも取って青年ら熱心に/奈良

 奈良地区委員会事務所(奈良市)では21日、4人の青年党員が熱心にメモをとり、ときおり綱領に目を通しながら、講義に聞き入りました。

 会場の会議室のホワイトボードには「綱領・古典の連続教室青年教室」の文字。4人はもともと、党と民青が共催で9月に始めた綱領学習会のメンバーです。講師(67)とともに、学習会ごと「連続教室」に参加しました。

 講義が終わって最初に口を開いた男性(32)は「他の党が綱領を軽く扱っているというのはその通りだ。そういう党は政治も軽いし、領土問題ですぐに軍事力といいだすのも、外交力の無さを表している」と語りました。これに青年(21)が「アジア政党会議の話では国際的な交流の大事さを感じた」と続きました。

 元民主党員だったという男性(29)は「綱領が科学的な分析に基づいているから長く広い視野で展望をつかめるというのが同意できるところ。何度も読まなあかんと思った」と語ります。男性(29)が「領土問題は解決がむずかしいのでは」と語ったのにたいし、金治さんが「領土問題で日本共産党がしっかりした主張ができるのは、侵略戦争に反対してきたからだということをつかむことが大事です」とまとめました。

 「青年教室」のメンバーは、この日仕事で来られなかった仲間にも、DVDを使って講義に参加してもらうことにしています。

道理ある主張、根本には綱領/東京

 東京都委員会の会議室では、講義終了後、民青同盟都委員会の2人の常任委員と、2人の学生が残って、感想を話し合いました。

 男子学生のIさんは、「印象に残ったのは、日本共産党の主張が道理を持っているから、アジア政党会議でも前向きの合意をつくり出す力を発揮したということです。その根本に、綱領があるのだと思いました」といいます。「戦前のたたかいが、いまにつながると志位さんは強調していましたが、現在のぼくたちのたたかい、高すぎる学費値下げの運動なども、将来につながっていくんだと感じました」と語りました。

 「日本の政党のなかで、綱領を真剣に学ぶのは日本共産党ぐらいしかないというのは驚きました」というのは民青都委員会のSさんです。

 同じく民青都委員会のHさんは、「綱領を持たない政党の深刻さがよくわかりました。民主党は、綱領を決めようとしたら党が分裂してしまいかねないというのは、なるほどと思いました」と笑いました。

 女子学生のOさんは、「綱領をそのまま街頭で読み上げても、それで国民の支持が広がるわけではない。私たちが綱領をよく学んで、いろんな現実の問題に引きつけて、自分の言葉で綱領を語ることが大事ですね」と話していました。

分かりやすい再学習したい/山形

 山形県酒田地区委員会では、地区事務所に13人が集まり、受講しました。講義を聞いた参加者は、「2中総でいっていた『綱領の生命力』が伝わってくる講義だった。今後の講義がますます楽しみ」「千島問題で、歌手の三波春夫さんが日本共産党と同じ意見というのは初めて知った」などと語っていました。

 前回の不破社会科学研究所長の講義を受けて、「テキストを4冊ともそろえたい」と注文した入党1年半の60代の自営業の女性は、「今回も分かりやすかった」と感想を述べていました。

 ある受講者からは、「家でもう一度学習したい。DVDが欲しい」との要望が出されました。

 酒田地区の受講者の中で最高齢(79)の女性は、同時中継には参加できないため、日中にオンデマンドで受講しています。





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