2010年12月22日(水)「しんぶん赤旗」

日本政府批判相次ぐ

「京都議定書」問題 COP16報告会


 メキシコ・カンクンで開かれた国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)の報告会が21日、横浜市で開かれ、「京都議定書延長反対」に固執する日本政府の姿勢を批判する報告が相次ぎました。地球環境戦略研究機関(IGES)が主催しました。

 浜中裕徳IGES理事長は「COP16は国連のもとでのCOPプロセス(多国間交渉)の信頼回復の基礎を固め、(カンクン合意の)成果は小さなものではない」と強調。日本政府の「京都議定書延長反対」の立場について、一つの新しい包括的な枠組みをつくるという主張は「現実的でない」と批判しました。

 田村堅太郎IGES副ディレクターは、次善策として京都議定書継続とともに米国や途上国が参加する新しい枠組みの間での整合性がカンクン合意で図られたことを報告。「京都議定書」延長反対といっているのは、公式な場ではロシアと日本だけだったと述べました。

 次期枠組みの法的拘束力について報告した明日香壽川東北大学教授は「一つの枠組みは一見公平に見えるが、新議定書をつくるのは現実的に難しい」と指摘。「現実には一つの包括的な枠組みを米国や途上国が受け入れる可能性はゼロに近い」と、日本政府の国際交渉の立場を批判しました。





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