2010年12月21日(火)「しんぶん赤旗」

年金引き下げ決定

政府 5年ぶり 老後不安に拍車


 政府は20日、2011年度の公的年金支給額の引き下げを決定しました。物価下落に伴う措置で、引き下げは06年度以来、5年ぶりとなります。下げ幅は国民年金で月200円程度となる見通し。

 年金支給額をめぐっては、細川律夫厚生労働相が14日の閣議後会見で「全体的に物価が下がり、現役の賃金も下がっている状況なのでやむを得ない」と引き下げを表明しました。菅直人首相は来春のいっせい地方選などを念頭に高齢者の反発を招く恐れのある引き下げに慎重な姿勢を見せ、関係閣僚に再検討を指示していました。

 20日、細川厚労相、野田佳彦財務相、玄葉光一郎国家戦略担当相ら関係閣僚による折衝が開かれ、来年度の引き下げで意見が一致しました。

 公的年金は、給付額に物価変動を反映させる「物価スライド」が適用され、04年の年金法改悪で、05年物価水準を下回った場合は、その分だけ引き下げるルールが強行されました。今年の全国消費者物価指数(CPI)は05年を下回るのは確実となっています。

 10年度の年金支給額は、国民年金で月額6万6008円(1人分、満額の場合)ですが、国民年金しか受け取っていない高齢者の平均受給額は月4万7千円程度。これをさらに削る年金引き下げは、不景気で生活困難が広がるなか老後の不安に拍車をかけるものです。





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