2010年12月19日(日)「しんぶん赤旗」

水俣病検診 40人中33人に症状

福岡県民医連など 潜在的被害者今も


 福岡県民医連などが福岡市内で実施した水俣病検診(10月24日)で、来院した40人中33人が「水俣病」や「水俣病疑い」と診断されていたことが、18日までに分かりました。水俣病の公式確認から半世紀以上たっても、潜在的被害者が多いことを示しています。

 33人を過去の居住地別にみると、水俣・芦北(熊本県)や出水・阿久根(鹿児島県)など水俣病特別措置法に基づく救済策の対象地域が27人、対象地域外が6人となっています。

 また、33人のうち23人が、家族の中に水俣病と認定されたり、医療、保健手帳を所持し、水銀汚染の魚介類をともに摂食していたことがうかがえます。

 水俣病に特徴的な「手足のしびれ」「こむらがえり」の自覚症状のある人は94%にのぼり、「めまい」「つまずき・ふらつき」「耳が遠い」などの症状も80%を超えています。

 一方、水俣病認定や救済措置の申請をしなかった理由として、42%の人が「情報不足」をあげています。

 同検診の実行委員会(田村昭彦実行委員長)は、水俣病は熊本や鹿児島、新潟だけではなく移住した被害者も多くいるとして、▽自治体の積極的な広報や相談窓口の設置、検診体制の確立▽すべての被害者を等しく救済する制度の必要性―などを訴えています。





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