2010年12月17日(金)「しんぶん赤旗」

“新基準でも却下なぜ”

原爆症認定新訴訟 被爆者が陳述

広島地裁


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(写真)報告する佐々木弁護士(正面立っている人)=16日、広島市

 原爆症認定申請を国が不当に却下したとして広島市在住の男性1人、女性2人が起こした訴訟が16日、広島地裁(金村敏彦裁判長)で始まりました。

 国は昨年末の集団訴訟の終結にあたり「今後、裁判で争うことのないよう協議し原爆症認定問題の解決を図る」と約束しましたが、判例に矛盾した認定申請の却下が相次いでいるため3人が10月5日に提訴したもの。

 訴状によると、男性は2歳の時に爆心から2・7キロで被爆し、甲状腺機能低下症を治療中。女性の1人は16歳の時に爆心から1・2キロで被爆し甲状腺機能低下症と甲状腺腫りゅうを治療中。もう1人は5歳の時に爆心から1・5キロで被爆し心筋梗塞と高脂血症を治療中です。いずれも新しい審査の基準や判例に沿って認定されるべきです。

 国側が、3人の事実認否を来年2月28日までにするとしたことを受け、次回期日は3月10日午後1時からになりました。当時16歳だった女性は「病は被爆のせいであるとしか考えられない。なぜ、新しい基準に合わないのか理解できない」と意見陳述しました。

 原告代理人の佐々木猛也弁護士は弁論後の報告集会で、1月中旬に少なくとも5人が追加提訴すると報告しました。





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