2010年12月16日(木)「しんぶん赤旗」
地球上のあらゆる場所1時間以内に攻撃可能
米、新型兵器予算化へ
【ワシントン=西村央】米政府は、地球上のあらゆる場所を1時間以内で攻撃することができる「通常型即応グローバル攻撃兵器(CPGS)」の研究・開発で、2011会計年度(10年10月〜11年9月)から15会計年度までの5年間で、10億ドル(約838億5000万円)をはるかに超える額を投入することを13日、明らかにしました。
CPGSの全容については発表されていませんが、米空軍はことし5月に無人極超音速機「X51A」の初飛行試験を実施。これは非核弾頭で地球上のどこにたいしても1時間以内で攻撃が可能というもので、CPGSの一環として、空軍は20年からの運用開始を目指しています。
オバマ政権は核兵器のない世界をめざすとしていますが、通常戦力での米軍の優位性を確保する姿勢は堅持しています。
米政府は今回の発表でも、CPGSの配備や、研究・開発、試験などについては、「(米ロの)新START条約で妨げられるものではない」との見解をとっています。しかし、核兵器の削減をうちだすと同時に、新型の通常兵器開発で米軍の優位性を保とうという点に、ロシア側の反発も予想されています。