2010年12月15日(水)「しんぶん赤旗」
過労自殺訴訟が和解
ウェザーニューズ 長時間労働起因認める
京都地裁
自殺は会社の安全配慮義務違反などとして、「過労自殺」した男性=当時(25)=の遺族が、気象情報会社「株式会社ウェザーニューズ」(本社・東京)に損害賠償を求めた訴訟は14日、京都地裁で和解が成立しました。
同訴訟は、京都市在住の母親(60)と兄(32)が10月1日に起こしたもの。
記者会見で代理人の村山晃弁護士は、会社側が▽過労自殺が長時間労働等によって引き起こされ、その責任を認めて遺族に謝罪▽労働時間管理・労務管理を見直し、社員が健康で安心して働ける職場環境の整備と事件の再発防止を約束した―などを示し、「提訴から2カ月半で、求めてきたことがすべて取り入れられ、高く評価している」と話しました。
兄は支援に感謝するとともに、「遺族として納得いく結果となった。弟の死が無駄にならないよう働きやすい職場にしてほしい。社会から過労死がなくなるよう願っている」と話しました。
男性は、気象予報士として、千葉市の同社事業所に勤務し、2008年10月に自殺。千葉労働基準監督署が今年6月、自殺は業務に起因するとして労災認定しましたが、同社は遺族の応分の補償の求めを拒んでいました。
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