2010年12月15日(水)「しんぶん赤旗」
米軍思いやり 総額維持 特別協定5年に延長
政府は14日、2011年4月以降の、米軍「思いやり予算」に関する日米合意の内容を発表しました。総額で現行の予算規模(10年度=1881億円)を5年間維持するとともに、来年3月で期限が切れる特別協定の期限を現行の3年間から5年間に延長することをうたっています。
防衛省と外務省の発表によると、(1)「思いやり予算」の水準を5年間維持する(2)労務費の上限労働者数を2万3055人から430人削減する(3)光熱水費の日本側負担は同額とし、現行の76%から72%まで段階的に削減する(4)提供施設整備費の水準を増やす―ことなどを盛り込んでいます。
このうち、労務費については、バーやゴルフ場など娯楽施設関連分を減らす一方、基地建設費(提供施設整備費)については「現行以上」として、増額する方針を示しました。
具体的には、「『緑の同盟』に関する日米間協力の一環」として、「環境に配慮した施設の整備」に充てるとしています。
日米両政府は、来年1月に特別協定に署名する予定。菅政権は、次期通常国会に提出し、国会の承認を目指す方針です。
民主党は野党時代、「思いやり予算」の特別協定に反対しましたが、政権交代後に方針を転換。10年度予算では、第二、第三の「思いやり予算」であるSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費と米軍再編経費を合わせ、約3370億円と過去最高額に達しました。
米政府はこの間、「思いやり予算」増額を主張し、「さらなるHNS(ホスト国支援)削減は、この地域における友好国や潜在的敵対国に対し、日本が防衛に真剣でないことを示すことになる」(7月の米下院軍事委員会公聴会でグレグソン国防次官補)など日本側に圧力をかけてきました。
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