2010年12月11日(土)「しんぶん赤旗」
ノーベル平和賞
国際的到達点を踏まえた対応を
10日におこなわれた今年のノーベル平和賞の授賞式に、中国政府は、獄中にある受賞者の劉暁波氏だけでなく家族の出席も認めませんでした。中国政府は今回、授賞式に各国政府の代表が出席しないよう要請もしました。改めて中国における人権問題とそれへの同国政府の対応が、国際的な注目を浴びる結果となりました。
日本共産党は、社会主義をめざす国を含めどのような体制も、社会に本当に根を下ろしたと言えるためには、言論による体制批判には、禁止ではなく、言論で対応するという政治体制への発展を展望することが、重要だと考えています。その立場を、1998年の中国共産党との関係正常化以降、中国に対して繰り返し、率直に伝えています。
人権問題については、国際社会の到達点を踏まえた対応が求められます。
中国は、1948年の世界人権宣言を支持し、1966年に国連総会で採択された「市民的及び政治的権利に関する国際規約」に署名しています。さらに、国連総会決議に基づき1993年に開催された世界人権会議が採択したウィーン宣言にも賛成しました。
ウィーン宣言には、大事な原則が述べられています。
一つは、自由と人権の発展は、各国でさまざまな過程をとり、「多様な歴史的、文化的および宗教的背景を考慮」すべきであり、特定のモデルを性急に押し付けるべきではない、ということです。
もう一つは、同時に、人権と基本的自由は普遍的な性格を持っており、言論や表現などすべての人権と基本的自由を「助長し保護する」ことは、「体制のいかんを問わず、国家の義務」だ、ということです。
日本共産党の志位和夫委員長は、11月の赤旗まつりの記念演説で、次のように表明しました。
「中国が、これらの国際的到達点に立ち、人権と自由の問題に対して、国際社会の理解と信頼を高める対応をとることを強く望むものであります」