2010年12月11日(土)「しんぶん赤旗」
COP16交渉最終盤
日本政府に批判集中
京都議定書延長反対に固執
【カンクン(メキシコ)=小林俊哉】国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は9日、最終盤の交渉を行いました。地球温暖化防止のための京都議定書第1約束期間が終了した後の2013年以降の新たな国際協定をめぐって、当面の策として第2約束期間を設置するかどうかで、依然として意見の隔たりが残ったままです。
同日は、10日の閉幕日を前に、松本龍環境相が、第2約束期間の設置に反対すると演説。かたくなな姿勢をとる日本政府に対して、批判が集中しました。
松本環境相は、京都議定書には中国など途上国には削減義務が課されず、米国が参加していないことなどから、「すべての国が参加する公正な枠組み」が必要だと主張。「第2約束期間の設定には賛同できない」と強調しました。これには、当面の打開策での合意形成で努力してきた各国政府や非政府組織(NGO)から批判の声が相次ぎました。アフリカのある政府関係者は、「自国の地名がついた議定書なのに、まるで自分の子どもを拒否するような扱いだ」と語りました。
日本のNGO「気候ネットワーク」の平田仁子氏は、「交渉全体が危機的状況に陥ってしまう」と批判。同日、外務省、環境省の担当者が開いた記者会見でも、海外メディアから「日本は国際的批判を浴びることになるのでは」「交渉を妨害しているとの指摘にどうこたえるのか」との質問が相次ぎました。
日本政府は「国際的圧力を受けるかもしれないが、第2約束期間の設定は公正でも効果的でもない」(外務省)との姿勢をとっています。
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