2010年12月11日(土)「しんぶん赤旗」

日航「整理解雇」

ILO条約に違反

航空連など 日本政府への指導要請


 航空労組連絡会(航空連)と日本航空乗員組合、日航キャビンクルーユニオン(CCU)は10日、国際労働機関(ILO)日本駐在所を訪問し、日本航空の「整理解雇」実施がILO条約違反だと指摘し、日本政府への調査・指導を求める緊急要請書を提出しました。


 日航本体の人員削減目標1500人を超過達成しており、営業利益が当初計画の年250億円をはるかに超え、1000億円以上となっているにもかかわらず、「整理解雇」を強行するのは、労働組合の弱体化の目的があると指摘しています。

 また、解雇の人選基準が、ベテランを狙ったもので、年齢差別にあたること、労組側のワークシェアリング(仕事の分け合い)や一時帰休の提案についても応じていないことも指摘しています。

 これらの行為が、結社の自由及び団結権保護条約(87号条約)、団結権及び団体交渉権条約(98号)、差別待遇条約(111号、日本未批准)、雇用政策条約(122号)に違反していると強調。政府への指導勧告を求めています。

解雇撤回求め会見

 航空労組連絡会と日航乗員組合、日航キャビンクルーユニオンは10日、日本航空がパイロット94人と客室乗務員108人の202人へ「整理解雇」を実施すると通告したことを受け、厚生労働省で解雇撤回を求めて緊急に記者会見しました。

 日航乗員組合の宇賀地竜哉委員長は、「私たちは真摯(しんし)に協議してきたが、怒りと失望を覚える」とのべ、ワークシェアリングの提案にも応じなかったことを批判。「解雇撤回を求め、最大限の取り組みを行う」と訴訟を含めて検討していることを明らかにしました。

 日航キャビンクルーユニオンの内田妙子委員長は、人員削減を超過達成していると指摘し、「団体交渉で、社長と管財人に『整理解雇の4要件』を1項目ずつただしたが、具体的に答えない」と訴えました。

 24、25両日にストライキを予定していることについて、「安全運航という第一義的課題のため、破綻原因を明らかにせず利益第一の再建でいいのかを訴えたい」と強調しました。





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