2010年12月10日(金)「しんぶん赤旗」
日航の非道 撤回迫る
「整理解雇」通告 組合員「たたかう」
日本航空の「整理解雇」実施の通告は、どうしても解雇しなければならないという合理性の説明もないまま行われました。
9日午後から東京都品川区の本社で始まった日航と日航キャビンクルーユニオン(CCU)の交渉。解雇を告げてすぐに引き揚げようとする会社側に対し、70人のCCU組合員はその場を動かず、「整理解雇の4要件」に基づく合理性を説明するよう抗議しました。強硬姿勢を崩さない会社に対し、夕方から本社前宣伝を開始しました。
組合員たちは、客室乗務員の笑顔を失わずビラを配布し、「日航は安全運航を守れ」「解雇撤回までたたかうぞ」と意気高く唱和しました。
解雇対象とされた客室乗務員の女性(56)は、「人員削減目標を超過達成しているのに、数字の説明は黙ったまま解雇なんて許せません」。55歳の女性は、「このままおとなしく首を切られるつもりはありません。撤回させるまでたたかいます」と語りました。
CCUに続いて日航乗員組合にも「整理解雇」が告げられ、宣伝に合流。機長の男性(42)は、「1年前、薬を飲み、会社の指示で、経過観察で休んだだけです。現在は問題なく乗務できるのに解雇なんて、納得できません」と訴えました。
内田妙子CCU委員長は、「10日から労働者に解雇通知が届くと思うと許せません。これを許したら、会社の『何でもあり』がまかり通り、日本の労働者全体に影響が及びます」と強調。「安心して働ける職場でなければ、安全運航に影響します。仲間で励ましあい撤回させたい」と語りました。
宇賀地竜哉日航乗組委員長は、「こんな非道な解雇が許されるでしょうか。憤りを感じます。必ず撤回させるために、これから何をすべきか、組合で対応を協議します」と表明しました。
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