2010年12月10日(金)「しんぶん赤旗」
外交・経済・地方自治―“政治変えたい”願い 日本共産党へ
横浜で地方選勝利へ 志位委員長が訴え
横浜市で9日、来年春のいっせい地方選勝利に向けた日本共産党演説会が開かれ、神奈川県議候補はじめ各候補者が必勝の決意を表明しました。この演説会が全国遊説のスタートとなった志位和夫委員長が、国政と地方政治の両方における政党対決の構図を、ダイナミックに解き明かしました。
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志位氏は、国政では、民主党が「自民とうり二つ」の政党になり、自民党と政治の中身に違いがなくなっていると強調。この「二大政党」が「対立」を演じながらも、アメリカいいなり、財界・大企業中心という日本政治の大問題には絶対に手を触れない中で、「本物の改革の担い手」としての日本共産党の役割を外交・内政の両面で力説しました。
外交
米軍普天間基地の「県内移設」反対を堂々と訴えた伊波洋一氏が大健闘した沖縄県知事選について、当選した仲井真弘多氏も従来の「条件つき県内移設容認」を言えなくなり「県外移設」を公約にしたと指摘。「県民のたたかいが相手候補を追いつめて手をしばった。当選はできなかったが、中身では県民が勝利した」と力を込めました。さらに、日米安保条約の是非を問うべき時代になっていると強調し、「もめ事は平和的・外交的に解決」することの重要性を訴えました。
志位氏は、「日本共産党の平和の主張は、アジアと世界では本流になっている」とし、36カ国89政党が参加した第6回アジア政党国際会議(1〜4日)での「二つの画期的成果」を紹介しました。
一つは、全会一致で採択された「プノンペン宣言」に「核兵器禁止条約の交渉を支持する」と明記されたことです。国際会議での「支持」の明記は世界でも初めて。原案には核兵器問題への言及がなかったが、日本共産党が提案し、これが実ったことを紹介すると会場はどよめきました。
もう一つは、北朝鮮の砲撃事件への対応です。志位氏は会議で、軍事的挑発行為を厳しく批判しつつ、外交的・平和的解決のための6カ国の緊急会合を提起しました。「宣言」は「すべての当事国が直ちに対話と交渉を通じて状況を緩和」するよう呼びかけるものとなりました。
志位氏は、これら平和の大問題で国際政治に働きかけて成果をおさめ、多くの友人を得たと強調し、大きな拍手に包まれました。
経済
内政では、大企業の内部留保を経済と暮らしに還流させてこそ経済に活気が出ると力説。テレビ番組「カンブリア宮殿」で司会者が、内部留保を使えば「派遣切り」をせずに雇用を守れると語った志位氏と、「経営が危うくなる」と述べた日産自動車のカルロス・ゴーン社長を比較し、志位氏に軍配を上げたと紹介すると、会場は沸き返りました。
さらに、農林漁業に壊滅的打撃を与える環太平洋連携協定(TPP)にも反対を貫く日本共産党を伸ばしてこそ、農林漁業を再生できると訴えました。
地方自治
神奈川県政・横浜市政に話を進めた志位氏は、知事・市長の予算案に賛成する「オール与党」と、住民の立場で行政の間違いをただし要求実現に奮闘する共産党の対決構図の基本は国政と同じだと強調しました。
そのうえで、特別養護老人ホームと保育所の不足、中学校給食の実施率の低さを告発。住民の願いがかなわない原因として、今後10年間、毎年50億円以上が大企業支援に回されるなどのゆがみがあると指摘しました。
志位氏が、「大企業への大盤振る舞いをやめさせ、『住民こそ主人公』の自治体を取り戻そう」「外交、経済、地方自治――いまの政治を変えたいという願いを日本共産党に寄せてください」と訴えると、「そうだ」の声と割れるような拍手が響きました。