2010年12月9日(木)「しんぶん赤旗」
COP16 閣僚級会合始まる
議定書延長へ議論大詰め
【カンクン(メキシコ)=小林俊哉】カンクンで開催中の国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)は7日午後(日本時間8日午前)、閣僚級会合が始まり、10日の閉幕に向けてCOP16は大詰めの段階に入りました。
京都議定書第1約束期間が終了した後の2013年以降の新たな国際協定の交渉が難航するもと、COP16では、それをどう前進させるか、当面の策として現行の京都議定書の第2約束期間を設置するかどうかが問題になっています。7日も、これらをめぐって議論が交わされました。
閣僚級会合の記念式典であいさつした国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、「気候変動は一夜で生じたものではないから一夜で解決できない」「完全な合意ができるまで(何もしないで)待つぜいたくは許されない」と強調。「対策が遅れれば犠牲は拡大する」とし、COP16が地球温暖化対策の着実な前進で合意するよう要望しました。
温暖化の影響を最も強く受ける島嶼(とうしょ)国や後発発展途上国の代表は、「気候変動は危機であり、交渉対象にできるものではない」「気候変動は生きるか死ぬかの問題だ」と訴え。緊急の対策を求めました。
欧州連合(EU)議長国のベルギー代表は、温暖化対策の新たな協定への広範な国の参加を条件に、京都議定書第2約束期間設置を検討すると表明。測定・報告・検証を通じた各国の温室効果ガス排出削減行動の透明化確保を、先進国と途上国の「共通だが差異ある責任」の原則を尊重して実施することに賛成だと述べました。
7日に現地入りした日本共産党の笠井亮衆院議員(党地球環境問題対策チーム責任者)は閣僚級会合に参加し、議事を傍聴。ブラジルやマダガスカルの政府代表らと交流しました。
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