2010年12月9日(木)「しんぶん赤旗」
きょうの潮流
1位は「子どもの将来のための貯蓄・保険料」41・6%。子ども手当の使い道を調べた結果です▼厚生労働省が、中学3年以下の子どもをもつ親たちに聞きました。2位「子どもの衣類・服飾雑貨費」、3位「子どもの学校外教育費」と続きます。答えを一つに絞らなくていい複数回答です▼世界一高い大学の授業料一つとっても、将来のための蓄えに回す人が多い事情はうなずけます。手当とあいまって、保育所の充実や学費の引き下げなど、子どもの成長にみあった支援を重ねてゆく。そうすれば、「少子化」を食いとめる効果も期待できます▼もう一つ、お金の使い道にまつわる調査から。やはり1位は蓄えでした。法人税の税率が引き下げられたら、会社はどう使う? 民間の帝国データバンクの調べです。1位の「内部留保」は25・6%。16・8%の「借入金の返済」が2位、15・5%の「給与や賞与の増額」が3位でした▼もし減税するなら、人は見返りを期待します。企業とくに大企業に社会的な責任を果たしてもらいたい、と。税を軽くするから、国内にとどまって地域に根づき、もっと雇用をふやしてほしい。しかし、経済産業省の調べでも、海外に出る理由に税の負担をあげる大企業は8%にすぎません▼減税分の多くが大企業の蓄えに回り、海外進出を食いとめられないとあっては、減税派は分が悪い。しかし菅首相は、「法人税5%減」の予算づくりを指示しました。効果のない振る舞い金を、人は「ばらまき」といいます。