2010年12月8日(水)「しんぶん赤旗」
ゼネコン「裏献金」立証へ
陸山会事件で東京地裁 検察方針を認める
「水谷建設」→ 小沢氏側
民主党の小沢一郎元代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載)事件で、起訴された衆院議員石川知裕被告(37)ら小沢氏の元秘書3人の第9回公判前整理手続きが7日、東京地裁で開かれました。登石(といし)郁朗裁判長は、検察側が主張しているゼネコンから小沢氏側への1億円の提供について、事件の背景事情として立証することを認める判断を示しました。元秘書の弁護人が明らかにしました。
検察側は公判で、ゼネコンからの「裏献金」を隠すことが虚偽記載の動機だったと訴える方針。
弁護人らによると、同手続きで検察側は、小沢氏側が中堅ゼネコン「水谷建設」側から2004年10月と05年4月に5000万円ずつ計1億円を受け取ったと主張。その上で、この1億円が収支報告書に記載されなかった土地購入代金の4億円に含まれるかどうかは明確にしないまま、「1億円受領は収支報告書の虚偽記載の動機に関わる」として、立証する方針を示していました。
弁護側は「1億円が土地購入代金に含まれると主張しないならば、起訴内容とは無関係」として、争点に含めないよう求めていました。
元秘書3人は捜査段階で容疑を認めていましたが、同手続きでは一転して無罪を主張しています。
起訴状によると、石川被告らは、04年10月に東京都世田谷区の土地を購入する前に、陸山会の口座へ入金した小沢氏からの借入金4億円を、同年分の収支報告書に記載しなかったなどとされます。
解説
ゼネコン・マネー解明できるか
ゼネコンの裏献金問題が法廷で争われることになりました。
小沢氏は土地購入の原資について、当初、政治献金だったと説明していました。ところが、その後、4億円の定期預金を担保にした同額の「金融機関からの借り入れ」となり、さらに「私どもが積み立ててきた個人の資産」と二転三転しました。このこと自体、小沢氏が真実を語っていないことの証明です。
小沢氏を強制起訴すべきだと議決した東京第5検察審査会の議決書(10月4日公表)も「小沢氏の当初の説明は著しく不合理で、到底信用できない」とし、「4億円の出所を明らかにしないのは、虚偽記載の動機があったことを示している」と述べています。
虚偽記載をして原資を隠す―。小沢疑惑の核心は、土地購入の原資がゼネコン・マネーではないのか―ということです。
小沢氏をめぐっては、大手ゼネコン別の献金リストの存在も明らかになっています。水谷建設にとどまらず、ゼネコン・マネーの全容に解明のメスが入るかどうか注目されます。
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