2010年12月6日(月)「しんぶん赤旗」
医療事故調査機関設立を
被害者、医師らシンポ
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医療事故調査機関の早期設立をテーマに5日、東京都内でシンポジウムが開かれ、約100人が参加しました。主催は医療過誤原告の会。
同会の宮脇正和会長があいさつし、民主党政権下で「被害者の長年の願いである原因究明のための公的第三者機関の制度づくりがとん挫しているが、なんとしても前進させたい」とのべました。
母親を東京医科大学での医療事故でなくした川田綾子さんが、「患者・遺族が求めているのは原因究明と真しな対応、謝罪、再発防止に向けたとりくみだ」とのべ、外部の調査機関の重要性を強調しました。また、大学病院のあり方を問い、再発防止へ向けて提言を行う目的で、1日に「東京医大被害者遺族ネット」を立ち上げたと報告しました。
高梨滋雄弁護士が、医療事故原因調査制度をめぐる現状と制度実現に向けた課題を提起。「事故原因の分析・調査を、警察、検察の捜査に優先して行うための法制度が、事故の再発防止などのために必要」とのべました。
茨城県医師会の小松満副会長が、同県の医療問題中立処理委員会の活動について報告。弁護士、学識経験者、市民、医師会で構成され、46件中19件(4年間)で患者側と医療側の合意が得られたと語りました。
「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」の永井裕之代表は、民主党の厚労省政務官が医療事故の原因究明より紛争の解決を重視するとの認識を示したことを批判しました。
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