2010年12月4日(土)「しんぶん赤旗」
小沢氏パー券収入
10年間で10億も集めながら…
透明度わずか5.9%
製薬業界でつくる政治団体「製薬産業政治連盟」の政治資金収支報告書には、民主党の小沢一郎元代表側から2回で計40万円分のパーティー券購入の記載があるのに、買ってもらった小沢氏側には、その記載がない―。小沢氏をめぐって、また不透明な政治資金集めの実態が浮上しています。(「政治とカネ」取材班)
|
問題の政治団体は、「小沢一郎政経研究会」。代表者は、小沢氏の政策秘書で、小沢氏の資金管理団体「陸山会」と、小沢氏が支部長の「民主党岩手県第4区総支部」の会計責任者も兼任する側近中の側近です。
2009年の収支報告書によると、昨年の総選挙後の10月30日と12月15日に、「小沢一郎政経フォーラム」という資金集めパーティーを東京都内の高級ホテルで開催、計4392万円の収入をあげています。
ところが、収支報告書への記載義務のある20万円超のパーティー券を購入したとして報告されているのは、全国不動産政治連盟の各100万円の計200万円のみ。記載しなくていい20万円ずつで購入した製薬産業政治連盟の名前は出てきません。
全体の売り上げに占める購入者がわかる透明度4・6%という低さです。
同研究会をめぐっては、企業に150万円の購入限度額を上回る金額を要求し、上限額との差額を記載義務のない小口に分散しているのではないかとの疑惑が指摘されています。
本紙の調べによると、同研究会は、2000年〜09年の10年間に、毎年4回(07年は3回、09年は2回)の資金集めパーティーを開き、総額10億6052万円を集めました。ところが、購入者名が記載されている金額の合計はわずか6296万円で、透明度は5・9%にすぎません。
民主党はことしの参院選マニフェストで「企業・団体によるパーティー券購入を禁止する」と公約しましたが、同研究会は9月24日に、ことし3回目の「小沢一郎政経フォーラム」を開催しています。