2010年12月3日(金)「しんぶん赤旗」
子育ての新システムって? (1)
広がる不安と批判の声
民主党政権は、子育てや保育の仕組みを変えようと、急ピッチで検討作業をすすめています。「だれでも保育や子育て支援が受けられる」と期待をもたせる報道もあります。この「新システム」で、保育や子育てはどうなるのでしょうか。
一つは、それぞれ長い歴史をもつ幼稚園と保育所を「一体化」して、「こども園」をつくることです。
二つには、「こども園」では、これまで保育所に対して市町村や国がもっていた、入所や保育水準、保育費用を保障する責任をなくしてしまうことです。保護者が「自己責任」で契約し、料金は利用時間に応じて増えることになります。
三つには、保育や子育ての国の補助金を一つにまとめて、その使いみちや制度、施設基準などは、できるだけ市町村が自由に決めるようにすることです。
どの問題も、保育と子育て支援のあり方、国と自治体の役割を根本から変えてしまおうとするものです。もちろん子どもと親に大きな影響があります。
幼稚園や保育所の団体は、保育や幼稚園教育の「質が下がる」と批判の声をあげています。親たちも「赤ちゃんを抱えて施設探しに走り回ることになるのでは」「お金がないと利用できない」と不安をつよめています。
しかし政府は、批判や不安も無視して、法案を来年の通常国会に出し、2013年からスタートさせるといっています。多くの父母、国民に内容をきちんと知らせないまま。
その中味にも、やり方にも、大きな問題がある「新システム」。これから具体的にみていきましょう。
(日本共産党女性委員会・米沢玲子)
(つづく)